天安からアンニョン

日々の思いや韓流情報などをエッセイ風に書きます。韓国からの発信です。

金日成は平和主義者だった?

「ソウル市民の皆さん、白頭山・金日成(キムイルソン)がやってきました。
北朝鮮はけんかが強く、南朝鮮は裕福です。
この二つを合わせれば、わが民族は世界のどこに行っても怖いものはありません。」

この演説は誰がやったのか?
なんとキムイルソンが「やろうとしていた」演説文なのだ。
1994年7月に平壌で予定されていた南北首脳会談。それを終えて、
その返礼訪問としてソウルを訪問したときにやろうとしていた演説文だという。

首脳会談が近づいたある日、金イルソンは天津製鋼所のギ社長に電話をかけ
「あす、あさってには統一だよ。わたしがソウル市民らに一言演説すれば統一だ。
必要なら大統領のポストも譲ってやってもいいさ」と語ったというのである。

このとてつもない内容は、北朝鮮の統一前線部に勤務していて
2004年に韓国に脱北した金日成綜合大学出身のヂャンヂンソン(張真晟)詩人が
日本の文芸春秋に公開した内容だ。
演説文は、金日成が眠っている錦繍山記念宮殿に展示されているらしい。

ここまで準備されていたのに、
息子のキムヂョンイル(金正日)が反対し

「北朝鮮のない地球なんて意味がありません。
 地球を爆破してしまいます」

としながら、政権維持のために核開発に強くのめり込んでいくことになる。

1994年7月8日午前2時に脳梗塞で金日成は突然死亡する。
その死亡は、金正日(チョンイル)によって画策されたものではないかという見方を
上掲の張詩人が試みているわけである。

1994年といえば、ブログ筆者が韓国に渡ってきて6年目ごろのこと。
ニュースははっきりと覚えている。
突然死亡したのか? 変だな、という気持ちは今も覚えているが、
その裏にこういうミステリがあったとは知らなかった。
韓国のとある新聞に最近載ったコラムからの内容であるが、
なかなか説得力はあると思う。

それにしても惜しい。
金日成がこれほどまでに統一を願い、平和を望む平和主義者だったというのか。
張詩人の暴露も、一つの「説」に過ぎないわけだが、
金日成綜合大学出身で北の統一前線部に勤務していたというその経歴から見て、
いたずらに否定せずともよいのではないかと思える。
その詩の才能により「御用詩人」として金正日に尊重されていたらしい。
あるミスによって粛清の危険を感じとり、南に脱北してきた人間のようだ。

歴史に if はないとはよく言われることだが、
このとき金日成が死なず南北首脳会談が実現していれば
ここ朝鮮半島の情勢は今とは180度異なったものになっていたかもしれない。

「国際ブッカー賞」に韓国の小説家・韓江氏

権威ある英文学賞ブッカー賞の国際版で翻訳作品も対象とした
「国際ブッカー賞(Man Booker International Prize)」の受賞者に16日、
小説『菜食主義者(The Vegetarian)』を執筆した韓国人作家、
韓江(Han Kang)氏(45)が選ばれた。
韓国人で同賞を受賞したのは同氏が初めて。(アジア圈ではじめて。)
賞金5万ポンド(約790万円)が授与される同賞は今年、作者と翻訳者が初めて共同で受賞した。
翻訳者のデボラ・スミス(Deborah Smith)氏(28)は、
韓国語の勉強を始めてからわずか3年後に本書の翻訳を手掛けたという。
韓氏は、韓国ですでに成功を収めている作家で作文教師。同賞を受賞したことで、
海外での作品の販売部数が急増しそうだ。
AFPの取材に応じた韓氏は、「とても光栄」と述べ、
「人間性の闇の部分から自身を救うために、人間であることを捨て、植物になりたいと願う主人公」を描いたこの小説について、
「この極端な物語を通じて、人間であるという難題を問いかけることができたと感じる」と語った。
AFPBB News


韓江(ハンガン、1970年11月27日〜) は、光州広域市で出生、大韓民国の小説家。
1970年韓国・光州生まれ。 延世大学国文学科を卒業。
1993年季刊「文学と社会」に詩が、翌年ソウル新聞の新春文芸に短編小説「赤い碇」が当選し文壇にデビューした。
デビュー後、地道に作品を書き下ろしており、現在ソウル芸術大学文芸創作学科で教授として在職中。
2005年審査委員7人の全員一致の評決で、彼女の作品《モンゴル飯店》が李箱文学賞に選ばれた。
李箱文学賞の歴史上1970年代生まれの作家として最初の受賞者であるハンガンは、
他の70年代生まれの文人とは違って、慎重な文章と奥ゆかしい世界認識で93年デビュー以来、
早くから'次世代の韓国文学の旗手の一人'と名指されてきた。
文学評論家 李御寧(イ・オリョン)は、この作品について、
"ハンガンの《モンゴル飯店》は奇妙な素材と独特の人物設定、
そして込み入った話の展開が変なふうに流れてしまう可能性もあったが、
レベルの高い象徴性と優れた作法により、小説を読む楽しさを教えてくれた"と評価している。
2016年5月、ハンガン《菜食主義者》にこの本を英語に翻訳したデボラ・スミスと共に、
国際ブッカー賞受賞者に選定された。


ブッカー賞とは:
英国のマンブッカー賞は、ノーベル文学賞やフランスのゴンクール賞と共に、世界3大文学賞と言われている。1969年に英総合物流流通会社であるブッカ―グループが制定して「ブッカー賞」と呼ばれていたが、2002年、金融投資会社であるマングループが後援することになり、今の名前に変わった。
この賞は、本賞と国際賞とに分けられている。
本賞は英国を始め英連邦作家を対象にしていたが、2014年から国籍とは関係なく英語で書かれ、英国で出版されたすべての文学書を対象にしている。韓江(ハン・ガン)が受賞した国際賞は2005年に制定され、現在は英語外の言語で書かれた小説と翻訳者に共同で授与している。昨年まで、国際賞は作家の作品世界全体を評価して隔年制で表彰してきたが、今年から作家の一つの作品を対象に、毎年表彰する形に変わっている。英語圏出版関係者の推薦を受けた小説を対象に、評論家や小説家、学者で構成された選定委員会が受賞作を選ぶ。国際賞候補にノミネートされるためには、非英語圏作品でも英語で翻訳され、英国で出版されなければならない。
(参考 東亜日報 http://japanese.donga.com/List/3/08/27/534299/1)

邊山半島で山の神様にお祈り

山男3人で韓国の西の側に位置するビョンサンバンド(邊山半島)に行ってきた。20160326_BeonsanBando_new.jpg
今年1年の山歩きの無事を祈る「サンヂェ(山祭)」を挙行するためだ。
くだものと菓子とマッコルリを供えて祈祷する。
山の神様に今年1年の無事を祈るわけだ。
こういうシキタリは、日本にも見られるものだ。
いや、全世界に見られるものであろう。
韓国の場合には、シンマニ(山ニンジンを採取する人)と言われる人たちがいて、
この人種が中心となってサンヂェをあげる。
は、そのまねごと^^。       20160320_sanjoe.jpg
まねごとではあるが、しかし しっかりと心を込めてお祈りをささげた。
この日は、この山で、収穫はなかった。
それでも気分のいい日だった。
サンヂェもささげ、山歩きをしてすっかり自然に溶け込み、
うまい空気を存分にすって、さらには邊山半島の海の幸をもいただき、
とても充実の一日だった。

セマングム・バンヂョヂェ(新萬金・防潮堤)という埋立地の堤防道路も走った。20160319_1semangum.jpg  20160319_2semangum_bench.jpg
27キロにも及ぶ巨大な規模の防潮堤道路だ。
海を見るのは、いつのときにもわたしには無上の喜び。
かもめが飛んでいた。
ところどころに休憩地があり、しばし車をとめて一息いれる。
防潮堤に突入する前の食堂で軽く昼食。
マッコルリもわすれずに飲む。地元のマッコルリをいただくとき、
これもまた楽しからずや、だ。
運転手のドンス・ヒョンはnoアルコール、残り二人がコリコリ(マッコルリの愛称)をいただく。
コリコリはうまい。
この日のコリコリは題して「チョンニョンソリ」(千年の音)。
デザインの如くデーグム(大きい横笛)の音が聞こえてきそうな味だった。^^20160319_mackorri.jpg

邊山半島は韓国の地理ではヂョンラプクド(Jeollabuk-do,全羅北道)にあたる。
全羅南・北道合わせて全羅道(ヂョンラド)は、食堂の料理のおいしさと量の多さで有名。
キムチチゲを注文したのだが、食べきれないほどの量が出された。
つきだし(メイン以外の一品料理みたいなもの)も多く、
うわさに違わず全羅道は料理がすごい。
料理好きのかたは、全羅道に行かれることを強くお勧めしたい。
なにが、どれほど、出てくるのか、わからない。
待つ楽しみで話題も弾むというもの。

イ・セドル、コンピュータに負ける

   20160310_sedoL.jpg 


3月10日(木)、イ・セドル9段とコンピュータ・アルファ碁との第二戦目が終了した。
イ・セドル9段の完敗。アルファ碁の完勝。
きのう3月9日につづき、アルファ碁の2連勝となった。

イ・セドルは日本の囲碁ファンもご存じのように
世界ランキングでもたぶん1位。
2015年度の「テレビ囲碁アジア選手権戦」の優勝者だ。

アルファ碁から世界第一人者に挑戦状がつきつけられたのであった。
よしきた!とうってでたはいいのだが、
きのうにひきつづききょうで2連敗となってしまった。
しかもきょうの負け方は、非常にダメージの大きいものだった。
序盤、中盤とずーっと有利そうにみえたイ・セドルが
終盤の数手で、あっという間の大逆転で負けたからだ。
テレビ解説者も、ずっとイ・セドルの碁が有利だと言っていた。
イ・セドルの負けが決定したときも、解説者はぼーっとしたまま。
なんにも言えないような状況だった。

1996年のチェスの戦いは今も覚えている。
ガスパロフとIBMのディープブルーの対戦。
96年はカスパロフが3勝1敗2引き分けで勝利したのだが、
翌1997年の対戦では、1勝2敗3引き分け。
僅差であったが「コンピュータが世界王者のカスパロフに勝利した」と報道された。
ガスパロフが頭をかかえて呻吟する絵が印象的だった。
いよいよチェスではコンピュータが人間を凌駕したかと思ったものだった。

あれから9年。
いまやコンピュータでは決して勝てないと言われていた碁の世界で
世界の第一人者が(コンピュータに)敗北を喫してしまった。
人工頭脳の進歩は恐ろしいほどの勢いである。
「恐るべし、コンピュータ」である。

イ・セドル対アルファ碁の対戦は5回行われることが決まっている。
すでに2回は終わり、イ・セドルの2連敗が決まっている。
残り3回でどう挽回できるのだろうか。
でも、きょうのアルファ碁の勢いからすると、
イ・セドルの勝ちはかなり希薄だ。
明日休んで3月12日、13日、そして15日の最終戦へと続く。

手に汗握るとは、まさにこういうことを言うのだろう。
わたしは、碁はあんまりできないけれど、
コンピュータ対人間の対戦は、興味が尽きない。

日本の将棋の世界では、一流の棋士対コンピュータの対戦って、
どのくらいまで進んでいるんだろうか。
取った駒がまた使える将棋は、碁よりもさらに複雑さが多様で
コンピュータでは、あの羽生を負かすことはできないように思えるのだが、、、。
とりあえず、韓国での世界的対戦、「イ・セドル対コンピュータ」は
イ・セドルの2連敗で進行中。 写真はOSENより。


ちょっと広報ですいません。
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ソンダム

冬休みも終りに近づいてきた。2月22日(月)。
武昌浦(ムチャンポ)という海辺にいってきた。
白砂が見渡す限りつづき、モーセの奇跡などと言われる
海が割れる現象がみられるので、
観光客もよく来るポイントである。
しかし、われわれの場合は海が目的ではなく、山が目的。
海のすぐそこから山が立ち上がっている。
山にはいり、薬草を採るのである。
薬草を採取する人のことをこちらではヤクチョ・クン(薬草を採る人)といっている。
またの名をシンマニ。
山ニンジン(サンサム)という一株で数億もするような薬草もあるが、
シンマニはこのサンサムを採るのが専門だ。
しかしサンサムがいつもあるとは限らない。
採れないことのほうが多い。
それでもめげずにサンサムを探し続ける。
それがシンマニの運命でありロマンでもあり実益でもあるわけだ。
日本にはシンマニといわれる職種はない。
サンサムがないからである。
中国のサンサムもカナダやアメリカあたりのサンサムも薬効は弱い。
なぜかここ韓国、朝鮮半島のサンサムだけが、
とてつもない薬効があるのだ。天の恵みであろう。

2月22日は、わたしの友達二人とともに行ってきたのである。
友らは、シンマニというよりはヤクチョ・クンといったほうがいいだろうか。

사진160223_000 ソチョン 生マッコルリ


今回は、海を見て、マッコルリを飲んで刺身を食べて            
ちょっと遊びモードで行ってみようということになったのだが、
白砂遊びを終えて、ちょこっと登った山のすそ野近くで
ソンダムというすごい薬草(ツタ類)が待っていてくれた。

사진160222_007 大物のソンダム(松の木にからみついているものがソンダム)

ソンダムというのは、松の木に寄生するツタ類で、
糖尿病とか関節炎とか血液浄化に薬効があるといわれているすごいもので、
かなり大きなソンダムにめぐりあえた。
遊びモードで山にはいったのだったけれど、
こういうとてつもない贈り物をくださる神様の計らいに
3人みなひざまずいて感謝。
マッコルリを生贄として供え、  

20160225_sanheng_.jpg (この写真だけは参考写真です。)

深いお祈りをささげてからおもむろに採取にかかった。
休みを締め括るにふさわしい大物と出会え、
満足の山行(さんへん)であった。天に感謝。 

사진160222_014  戦利品(感謝品)

1年に数回、この3人で薬草採りに山にいくけれど、
今回のような「大物」は、3年ぶりくらいだ。
自宅で焼酎付けにし、残ったものはネットを通じて必要な人に
ご提供(販売)する予定だ。
山のものは、値段ではないので、
購入する人もたいていは大喜びだ。
店で買うことのできないものだから。
売り上げは、3人の次の出陣のためのベースとなる。

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treenamu

Author:treenamu
韓国在住の日本人で、山歩きやサッカー、リフティングなどが好きです。小説・随筆なども書いてます。鴨長明、ヘッセ、バルザック、モーム、チャンドラーなどが好きです。スローライフがモットーです。

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