天安からアンニョン

日々の思いや韓流情報などをエッセイ風に書きます。韓国からの発信です。

ポール・ローマー ニューヨーク大学教授インタビュー(3) 

ポール・ローマー  ニューヨーク大学教授インタビュー(3) 


―内生的成長理論で教授が強調した 'アイデア' の役割は何ですか?

ポ: " 内生的成長理論の要点は、
政府が政策変化を通じてすばやく革新を誘導できるという事です〈☞ キーワード参照〉。
内生的というのはインセンティブに反応するという意味です。
ルールが変わると、よりいい結果をインポートすることができます。
良い例があります。
中国はどうして米国のようにシェ-ルガス産業がはやく発展できなかったんですか。
逆説的なことですが、米国より中国で同分野の知識財産権がより強く保護されるためです。

米国の数多くの中小シェールガスの生産者は、シェールガスの油井を採掘する際に新しい方法を実験します。
砂の量が異なればどれだけ多くの石油を得るかについて調べるでしょう。
シェールガスは、大量の水と砂、各種化学物質を混合した溶液を地下の堆積岩の層に撃ちこんで
ガスを回収する方式から生産される。その時、混合割合が重要です。
そして米国政府はこのデータを共有するようにしています。
これを通じてすべてのシェルガス生産者がもっと良い方法を学ぶことができるのです。
しかし、中国では、政府が国営石油会社に独占的に採掘権を与えているために
このような出来事が起こることができません。"

―知識を独占しなかったのが革新を生んだわけですね。

" そうです。シェール産業の発展は、どれほど市場が偉大かを示すいい例です。
同時にどれほど政府の役割が重要かも見せてくれます。

シェールガス産業が発展したもう一つの重要な要素は送油管です。
アメリカ政府は、シェールガスが出る前から
全国に敷かれた送油管を大手企業が独占しないようにしていました。
一種の公共財というものであったために、
ダコタでもペンシルバニア州であれ、米国どこでも石油を生産した人は誰もが
送油管を利用することができます。
このため、中小企業も、大手企業と競争し、ガスを全国に販売できました。
全社的品質管理(TQC)やリーン生産方式(lean production)の例を見ると、
知識の拡散が、我々皆に特典を与えるということを知ることができます。
リーン生産方式でしばらくはトヨタが多額の金を稼ぐことができました。
以後これが広がり、皆がそれをまねし、全ての生産性が増大しました。
知識の拡散は、一方には害になる戦争とは違い、
経済的には(知識の拡散が)全てをさらによくするのです。"

―内生的成長理論は、豊かな人が多くなれば、もっと多くのアイデアが生まれると喝破しました。
 それなら、不平等が成長に寄与しているんですか?

" 不平等は発見の核心要素ではなく、副作用に過ぎません。
ある人はアイデアの発見者(革新者)が大きな補償を受けなければならないと主張するが、
私はこれが正しい話かどうか分かりません。
第2次世界大戦の間に、人類の生活を変えた幾多の重大な発見が行われました。
ところが、当時、発見物はお金を儲けるためのことではなかったのです。
愛国心のような何か他の目的から出てきたんです。
お金以外の多くのことが、人びとの動機になっています。
慈善事業家には世の中をもっと良くしたいという動機、
大学教授には威信です。
そんな威信ゆえ、あなたのような記者たちが
朝からホテルに来てインタビューするではありません(笑)? "

―米国は金持ちも多く、不平等もひどいです。

" 確かにそうです。
米国はますます不平等になるとともに革新的です。
不平等が深刻化したのは残念なことです。
そんな状況で、ある人々は小さな政府を主張し、税率の引き上げ制限を主張しています。"

―教授は '小さな政府' を支持しますか。

" 政府に対する人びとの考えは歴史的に振り子運動を重ねてきました。
大恐慌後に人々は、市場経済体制がまともに作動するか懸念が大きくなりました。
これによって20世紀のファシズムや共産主義は、
政府が経済統制面で極端に強い政府の形でした。
以後20世紀が進行し我々は、政府が経済面にあまり介入しなくても、
依然として経済がよく回っていくということがわかりました。
政府が最もうまくできる分野もあるということを知るのに、かなりの時間がかかりました。
全般的に20世紀の問題がとても強い政府だったのに対し、
21世紀の問題はとても弱い政府だと思っています。
私は、政府ができる、価値のあることがあると思います。"

―政府が革新を主導できるというのですか?

" 政府の役割について対立する両陣営があります。
一部では政府がまったく必要ないという考え方で、
他方は政府がまるで建築家のようにビルの形を決定して窓の数まで事前に
決定しなければならないという考え方です。私は中間くらいです。
ある分野では、政府が計画しなければならない分野があります。
もちろんそんな計画は、細部的な面には相当な自律性を保障しなければなりません。
政府の役割は明確に必要だが、
その役割は都市計画立案者たちが持つ程度の権限よりは
遥かに小さくなければなりません。"

  ローマー教授は、事業家経験も持っている。スタンフォード大学教授時代の2000年、
  オンライン教育企業を創業して育てた後、2007年に売却した。
  教科書は無料で配布するものの、
  宿題の問題はオンラインで掲載され有料という独特なビジネスモデルだった。

☞ 内生的成長理論(Endogenous growth theory)
経済成長にとって技術を未知の外部要因(外部の変数)と見なしていた通説を破って、
研究開発(R&D)のような意図的努力を通じて蓄積された技術が成長を左右するという理論。
伝統的な経済学は労働と資本が生産量を決定する要素としたものの、
内生的成長理論は、アイデア(技術)をより重要な要因に浮上させた。
アイデアは技術だけでなく、技術発展を可能にするという文化的・制度的側面まで含めた概念。


            (3回目はここまで。)。





スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://cheonan.blog.fc2.com/tb.php/222-35eff157

 | HOME | 

文字サイズの変更

プロフィール

treenamu

Author:treenamu
韓国在住の日本人で、山歩きやサッカー、リフティングなどが好きです。小説・随筆なども書いてます。鴨長明、ヘッセ、バルザック、モーム、チャンドラーなどが好きです。スローライフがモットーです。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

韓流 (91)
学生エッセイ (79)
ランの窓 (2)
心と体 (12)
韓国のジョーク (4)
ふるさと (52)
詩 (12)
釜山さむらい (6)
数学 (9)
サッカー (11)
筆者のエッセイ (28)
未分類 (30)

カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

検索メニュー

RSS リンクの表示

リンク

이 블로그 링크에 추가하기

ブロとも申請フォーム

블로그친구신청

FC2Ad

Template by たけやん

動画ランキング