天安からアンニョン

日々の思いや韓流情報などをエッセイ風に書きます。韓国からの発信です。

上杉鷹山(10)

米沢を代表する人といえば、この人「上杉鷹山」。
このブログのカテゴリに「ふるさと」を入れてありますので、
鷹山についてちょっと書くシリーズです。今回はその10回目。
10月15日ブログ上杉鷹山(9) の続きです。

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 

 しかし鷹山の主な目的は、領内を全国最大の絹の産地にすることでした。それに必要な資金を工面できる余裕は、すでに乏しい藩庫にはありませんでした。そこで鷹山は、奥向きの費用209両から、さらに50両を切り詰め、それでもって領民のあいだにこの産業を極力推進する資金に当てました。若き藩主は、「わずかな資金でも、長い間つづけるならば巨額に達する」と言います。これを鷹山が50年つづけたところ、自分の始めた数千本の桑株は、しだいに株分けされて、全領内に植える余地がなくなりました。米沢地方の今日があるのも、他のどこにも負けない絹の生産があるのも、往古の藩主の忍耐と慈愛心の賜物であります。米沢産は、今日では市場で最高級品のひとつに数えられています。
 鷹山の領内には、まだ荒地が残っていました。日本のような米の生産国では、豊かな実りは水の灌漑のよいことを意味します。灌漑が不十分であると、大部分の土地は不毛の地として残りがちです。長距離にわたる用水路の建設は、鷹山の藩の乏しい財政では不可能に思われました。鷹山の倹約はけちではありません。「施して浪費するなかれ」が鷹山のモットーでありました。公共の福祉のためになる、と確信した場合には、鷹山は不可能を考えませんでした。鷹山には、資金の不足を補うに足る忍耐力の持ち合わせがありました。昔の日本で行なわれたもっとも大掛かりな土木工事を、二つも企画し完成したのは、このもっとも貧乏な大名でした。
 一つは、28マイルもの距離の高架橋と長くて高い堤による用水路であり、これは水力技術の代表作であります。もう一つは、堅い岩盤に1200フィートのトンネルを掘ることにより、大きな水流を変える工事でした。後者の事業は、鷹山治世の20年間を要し、鷹山が領内に貢献した最大の仕事でした。
 鷹山の家臣に黒井忠寄という名の、のっそりとした無口な男がいました。鷹山がその才能を見いだすまでは、無用者扱いを受けていました。その男が、実は、たぐい稀な算術の才能の持ち主であったのです。黒井は、自分の粗末な器具を用いて、領内の精密な測量をして、周囲の人々からは異常としか思われない工事の計画を立てました。その最初の一つは完成しましたが、次の仕事に従事している最中になくなりました。しかし計画は黒井が予定したとおりに継続されました。       
                              ここまで上杉鷹山(10)。『代表的日本人』(内村鑑三)より
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韓国在住の日本人で、山歩きやサッカー、リフティングなどが好きです。小説・随筆なども書いてます。鴨長明、ヘッセ、バルザック、モーム、チャンドラーなどが好きです。スローライフがモットーです。

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