天安からアンニョン

日々の思いや韓流情報などをエッセイ風に書きます。韓国からの発信です。

ケッセキ _ 学生エッセイ0029

韓国の若者、大学生がどんな文章を書くのか。
学生エッセイシリーズは、韓国の日本語学科の学生らが書いた文章を紹介するコーナーです。
今回はその29回目で、女子学生CSAさんの作品です。
(違和感のある部分は、ブログ管理者が適当に直してます。)


<ケッセキ>
私が初めて日本語を習い始めた決定的なきっかけではなかったろうか。
18歳。高校3年の時の担任の先生は、日本語の先生で若い女の先生だった。
学校で恐ろしいといううわさが立った虎先生、
教務室で子供を懲らしめるときは
教頭先生も止められないほど厳格で礼儀をあまりにも大事にする先生だった。

この先生の授業のときはいつも緊張しなければならなかったが、、、意外にも
退屈な授業を面白く導いていく先生でもあった。

時は暑い夏、休み時間の終りを告げる鐘がなり先生が入ってくるのを待つ子供たち。
しかし先生は5分が過ぎても来なかった。緊張が解けた子供たちは次第に騷ぎはじめた。
さらに3分程経ったろうか。ドアを開けて無表情で怒った表情で先生が入ってきた。
怒った先生の顔に私たちは皆静かになって様子をうかがった。
その時教卓を大きくぴしゃりと叩いた。そしてなんと「ケッセキ」というではないか。
私たちは瞬間耳を疑った。そしてぼそぼそとつぶやきはじめた。

「狂ったんじゃないの?」、「先生があたしたちに絶対に言ってはならない悪口を言ったよ!」など
いろいろの気持ちが交差した瞬間、先生は追い討ちをかけるように「シュッセキ」と言った。

韓国で「セキ」は極めて大きな悪口であり、
人の前では絶対に言ってはいけない言葉の一つである。
それから先生は顔をぱっと輝かした後、これは「欠席」という単語と「出席」という単語で、
今日学ぶ単語だよと説明してくれた。

私たちは一斉にため息をつき、また大きな笑顔を見せた。
これを機会にクラスの子供たちは
「日本語って笑わせるじゃん」、「日本語って面白い言葉が多いんだね」と言いながら
放課後の日本語学習をする友達が急激に増え、私もその中の一人だった。
今考えてみると、子供たちにはその時の事件が大きな新鮮さと衝撃をもって刻まれ、
日本語に大いに関心を持ちはじめたようだ。

いま日本語の「欠席」という単語を聞くと、
その時の時代が懐かしく思い出されちょっぴり切ない気持ちにもなる。



<筆者の解説>
韓国語の「ケッセキ」という発音は、『おしょうしな韓国』にも書いたが、人の前では言ってはいけないくらい強い罵りことばなのである。「ケッセキ」よりは「ケーセッキ」という発音が近いが韓国語では長音という概念があまりないので「ケッセキ」と表記してもだいたい同じ発音として捉えられる。「シュッセキ」ということばはないのだが、「シュッセキ」のなかにある「セキ」という部分が「ケッセキ」と同じ部類の強い罵りことばなのである。実はこの「ケッセキ」という語は「犬っころ」という意味でもある。訳すと「犬っころ」となるが、韓国語の「ケーセッキ」は単なる犬っころという意味をはるかに越えて、別次元のことば(意味)になってしまうのである。だいたいにして「犬」というのは韓国語においては悪い意味で使われることが多い。日本語も「犬死に」「野良犬」「どこの犬だ」などのことばは悪いニュアンスのある語だ。しかし韓国語での「犬」は日本語のそれよりはるかにマイナスの意味が強いのである。こういうのってけっこうあると思う。たとえば「きさま」。これは「貴様」という語であって、ほんとは「あなたさま」という意味。いつのまにか「きさま」と言えば、悪口とか罵りことばという概念ではないが、相手を非常に蔑んだことばとして使われるようになってしまった。なぜなのかな? 実はわたしの名前が「まさき」。反対から読むと「きさま」。なのでガキのころ、よく「きさま」「きさま」って友だちからからかわれたものだ。イジメの次元ではなくていたずら坊主たちの悪ふざけ程度。「きさま」ってのは、ほんとはすごい偉大なことばだったんだぞ、と、言ってやりたかったが、そのころはそんなことは全く知らない時期。言われ損で終わったことは言うまでもない。しくしく。



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コメント

pipcoさんも、おもしろい経験をたくさんしてますね。
うれしいです。
ちょっと待って、は、
性的な表現なんですね。
これを言うと、皆、笑いますね。
悪いことば、というより、
性的なことばですね。
若い女性の集まっている場でいったらちょっとあれですけど、
男たちだけの場では、笑いをとるとっておきの表現と
言えるかも知れません。
またソウルに来られることがあったら、このこと、
一度思い出してください^^。

こんばんは

ソウルに初めて行った頃、
「ちょっと待って!」と大声で云ったら
「それは悪い言葉です!」と云われましたよ。

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韓国在住の日本人で、山歩きやサッカー、リフティングなどが好きです。小説・随筆なども書いてます。鴨長明、ヘッセ、バルザック、モーム、チャンドラーなどが好きです。スローライフがモットーです。

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