天安からアンニョン

日々の思いや韓流情報などをエッセイ風に書きます。韓国からの発信です。

「氏」と「さん」 _ 筆者のエッセイ0023

 「氏」と「さん」


苗字に「氏」をつけて「佐藤氏」あるいは「佐藤太郎氏」という表記は
日本で一般的に見られる表記である。韓国でもこの「氏」は同じように使う。
「キムソンチョル氏」といったぐあい。

ちょっとちがうのは、韓国の場合このスタイルが直接人を呼ぶときにも
使える点。「キムソンチョルシ、イリオセヨ」(キムソンチョルさん、こちらに来てください)
というぐあいだ。
ただ一般的に目下の者が目上の者に対して呼び掛けるときには、
「シ」はちょっと使いづらい。課長などの呼称があれば
「キムソンチョルクァジャンニム」(キム課長さん)のように呼称をつけて
呼びかけることになろう。
呼称がなく単なる先輩などの場合は「キムソンベニム」つまり「キム先輩様」
という呼び方になろうか。

ニュースなどで凶悪犯人であっても「キム モ シ」という表現がよく出てくる。
これは「キム某氏」という意味で、凶悪犯人であっても韓国の場合は
このように「氏」づけで言われる。
日本だったら当然呼び捨てだ。
凶悪犯人に対する呼び方としては日本のほうが実情・実感にあっているといえよう。
「キム・モ・シ」などと言われると、なんとなくそれほど悪い人間じゃないような
ニュアンスになってしまうではないか。

この「氏」に対して「さん」ということばは、日本語の中でも非常に
「イケテル」ことばだと思う。どんな人に対してもこの「さん」一つあれば済む。
「キムさん」、「マイケルさん」「みえさん」といったぐあいだ。
首相に対しても「安部さん」といってなんら失礼ではない。
日本語の中でもイチオシのことばだ。こういうイチオシの日本語として、
すぐ思いつくのは、「木漏れ日」、「洗濯日和」の「ひより」、「住み心地」などの
「ここち」などなど。
あげていけばきりがないが、全体的に日本語の場合はこういう
「感性的」なことばたちが多い。
こういったことばたちは、韓国語ではダイレクトに翻訳できることばはなく、
「木の間を通ってくる光」などのように説明的な語で表現することになる。

韓国語のイチオシのことばも考えれば無数にあるが、
すぐ思いつくのは「ハクセン」であろうか。
「学生」の韓国語であるが、この「ハクセン」、
わたしが道を歩いていてちょっとものを聞きたいとき、
小学生だろうが大学生だろうが、「チョ、ハクセン」(そこの学生さん)と呼びかけて、
しゃべればいい。日本語だったら小学生を前に「学生さん」というのはおかしいし、
かといって思い当たることばもない。
たぶん「ちょっとすいませんね」などといいながら近づいていくことになるはずだ。
この点、「ハクセン」はこれだけで呼びかけのことばにもなるため、
非常に便利なのである。使い勝手があるというか。
わたしの愛する韓国語の一つである。

                                            (『おしょうしな韓国』より)

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Author:treenamu
韓国在住の日本人で、山歩きやサッカー、リフティングなどが好きです。小説・随筆なども書いてます。鴨長明、ヘッセ、バルザック、モーム、チャンドラーなどが好きです。スローライフがモットーです。

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