天安からアンニョン

日々の思いや韓流情報などをエッセイ風に書きます。韓国からの発信です。

発音 _ 筆者のエッセイ0020

 韓国に来て驚いたりたまげたりしたことの寄せ集めがこのエッセイ集の主なテーマだ。英語の発音もそのなかの重要な一つである。日本人の英語の発音を聞くと、こちらの人はたいてい笑う。聞いた瞬間、つい吹き出してしまうといったふうに笑うのだ。すべての英語の発音ではなくて、一部の英語の発音であるが。代表的なのは「マッカーサー」と「マクドナルド」。マッカーサーは韓国語式には「メガド」となり、マクドナルドは「メッドナルドゥ」といった感じか。どちらかというと英語の発音に近いといえるが、メガドは日本語と同じくらい英語の原音からはほど遠い感じだ。でも日本人の発音を聞くと吹き出してしまうのである。

 はじめはなんで笑っているのかわからなかったが、発音のせいで笑っているのだとわかったときかなり面食らった。マクドナルドっていう発音がかなり変な音として聞こえているのだ。言われてみれば英語の発音とはかなりちがう発音であることはたしかだ。ハンバーガーの店、あのMcDonald‘s を英語の発音で聞いてみると「メkダーナrズ(※)」と聞こえる。そばにアメリカ人がいなくても今はネットに入ればいとも簡単に英語の原音を聞くことができるので、実際、一度聞いてみてほしい。

 英語の発音をカタカナで正確に表記することは無理だ。音の出しかたが根本的に日本語と英語ではちがっているのだからそれは無理のない話だ。あえて表記するとすれば上のようになるわけだ。パーティーなどという語も、本来「ティ」という音節は日本語にないのであって、いつからかはわからないが「ティ」という表記を作り出して使っているのである。だったらコンセプトやインターネットなども、「ト」ではなく「トゥ」という表記を使って「コンセプトゥ」、「インターネットゥ」という表記にできないものか。英語の単語の最後にくる「t」や「d」を「トゥ」や「ドゥ」という表記にするのである。ちょっとだけでも英語の発音に近い表記になると思われるのだが。このように表記しそのように発音するだけでも、日本人の英語の発音を聞いて、韓国人がいまほどは笑わなくなると思うけど。彼らが笑うからというより、英語の単語をわざわざ日本語式にくずして発音せんでもいいのではないかというのがわたしの主張だ。

 お年寄りらがわからないからという反対意見もあるにはあるが、それも的を射た反論ではないと思う。コンセプトゥ(concept) をコンセプトといったからわかるのではない。concept ということばの意味が、「概念」とか「計画」などというものであることを知らないとどうしようもないのだ。英語がはいってくるのは、現代の世の中にあってはしかたのない現象だ。さからってもなんの意味もない。自然にまかせるべきだとわたしは考えている。そして、どうせ英語の単語を使うなら、英語の原音に近く表記し発音するのがいいと考えている。

 だいぶ前のことになるが、知り合いのアメリカ人女性のところに行って、わたしと妻(韓国人)と、MacArthur( マッカーサー) の発音を聞いてもらい、どちらが英語に近いか判断してもらうことにしたことがあった。わたし「マッカーサー」、彼女「メガドゥ」。アメリカ人の彼女、しばし頭をひねっていたが、「どちらも英語の発音からは遠いわね」と言った。「マッカーサー」に関しては引き分けにおわったわけだ。
 巻き舌の音とか、唇を噛んで出す音など、英語には日本語にない音がいくつかある。それらはどうしようもない音なので今まで通りに表記するにしても、末音の「t」や「d」は、「トゥ」や「ドゥ」という表記にしてほしいものだ。「ロナルド」と表記される人の名前でも、末音が「d」で終わるのか、スペイン人やイタリア人のように「do」となっているのか区別できない。外国で生活していると、こういった部分がけっこう不便をきたすのである。

(※)  「メkダーナrズ」。
この表記は、苦しまぎれの表記である。「メ」のつぎにすぐ「ク」ではなく「k」の音が続き、「メク」って感じになる。でも「ク」じゃなくて「k」なので「メk」って表記にしてあるわけだ。「ナルズ」のところも「ル」ではなくて「r」の音が子音でつづくので「ル」ではなく「r」としてある。こんな表記は実際には使われていないのだが、わたしとしてはなるべく英語の発音に近づけるための一つの方法として使用してみたのである。実はこんな方法は韓国語を表記する場合にも使いたいと思っている。より原音に近い発音の表記ができるからだ。たとえば「キムチ」という基本的な単語も「キムチ」ではなく「キm チ」と表記すればより韓国語の原音に近く表記できるのである。


                                                        (『おしょうしな韓国』より)

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Author:treenamu
韓国在住の日本人で、山歩きやサッカー、リフティングなどが好きです。小説・随筆なども書いてます。鴨長明、ヘッセ、バルザック、モーム、チャンドラーなどが好きです。スローライフがモットーです。

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