天安からアンニョン

日々の思いや韓流情報などをエッセイ風に書きます。韓国からの発信です。

日本語の奥深さ_光と影


日本語の奥深さという観点から、次の文章をご紹介します。

ある人が日本語で講演しました。
そのとき、その英語訳におけるエピソードを書いてます。
日本語ではよく使う「光と影」という表現が実は英語には本来はない、ということです。
おもしろいです。

♦ここから引用♦

私が、

「科学技術には光の部分と影の部分がある。その影をコントロールして光を伸ばすために
     議論・検討するのがこの会の趣旨です」

と基本理念を説明したのだが、日本語の直訳で「科学技術の光と影」を
「Lights and shadows」と表現した。

するとそこにいたアメリカ人の一人が「Lights and shadows」などという表現は英語にはない
というのである。

たぶん日本人が感じる光と影という物事の二面性を表わすニュアンスが
アメリカ人には単なる物理現象としての光と影としか通じなかったのだろう。
 
英語の中には、日本語の持つニュアンスをうまく表現できる言葉がなくて困ることがよくある。
しかしアメリカ人にそんな言葉はないと言われてしまったのでどうしようかと思ったのだが、
このまま消されてしまってはいけないと、カタコト英語で科学技術の二面性を伝えるこの言葉が
どうしても象徴として必要であると頑張った。
 
するとようやく最後にMITのフリードマン教授が、ミスター尾身がそう言うのなら
「Lights and shadows」という言葉を使ってもいいじゃないかと言ってくれたのである。

この一言で、その言葉が科学技術と人類の未来に関するフォーラムの設立理念として残る
ことになったのである。

♦ここまで引用♦

これは尾身幸次著『天風哲学実践記』(p.282)にあることばです。

光と影という日本語の象徴性というか、奥深さが
英語ではもともとはなかったということをこの本で知りました。

科学技術のプラスとマイナスとなどと言ってしまえば、ものごとは解決しますが、
これでは日本語としての柔らかさがぜんぜん出ません。
やはり「科学技術の光と影」ということばで表現することによってのみ、
広がりのあるイメージとして捉えることができます。
こういうあたりに日本語の日本語たる所以があるのでしょう。
広がり、ふくらみ、奥深さといったものが日本語には確かにあります。

韓国語にも、こうした奥深さというものはあります。
特に「色彩」を表わす語には、
他の言語にはないほどこと細かいことばのあやがあります。
黄色にしても赤にしても、どの色にしても、
10種類あるいはそれ以上の単語たちが存在しています。
ことばというのは、あくまでも底無しで奥深く、限りない拡がりをもった存在です。

ところで、日本語の

耳をすます
おもてなし
思いやり
木漏れ日
洗濯日和(~日和)

といったことばは(他にも無限にありますが)、韓国語でも直接訳すことが困難です。
おそらく英語などでも「意訳」して表現することになろうかと思います。

このような、美しい日本語、ふくらみのある日本語、外国語では訳しにくい日本語を、
できればコメント欄にカキコしていただけるとうれしいです。
気がついたことばをランダムにメモしてもらえるとありがたいですが。

ワカメ汁 _ 筆者のエッセイ0011

きょうが誕生日のかた、おめでとうございます。

誕生日といえば日本ではお赤飯であるが、韓国ではお赤飯にワカメ汁というのが一般的で、
誕生日の朝ごはんのメニューはこの二つが定番だ。

牛肉をゴマ油で炒め、水をたしてワカメをたっぷりいれてさらに煮こんでできあがり。
日本のワカメ汁は油がういてないが、韓国のそれは、油がちょこちょこ浮いている。
ゴマ油で炒めているからだ。栄養満点のお吸い物である。

韓国という国の特徴の一つは、あらゆる面で中身が濃いというか内容充実という点であろう。
食事のときのおかずの種類と数、手みやげでのその量の多さ、アパート・マンションのその広さ、
その他もろもろの面でとにかく量と種類がべらぼうに多い。

国そのものは小さいのだが、人々の生活面における個々のものを見てみると、
とにかく実質重点主義というか内容充実という面で一貫している。
ワカメ汁も内容充実というコンセプトを裏付ける出し物の一つになるだろう。

韓国のワカメ汁は、具がものすごく多いのである。こちらの人はごく自然だと思うが、
日本人のわたしから見ると、具の多さに最初とまどってしまった。

 「ええっ、こんなに具が多いの!」

結婚したてのころ、わたしの誕生日の朝、妻が出してくれるワカメ汁を見てそう感じたものだ。
日本の場合、ホテルなどで朝ごはんで出てくるときもあるが、スープの中にさーっと数えるほど
のワカメが入っているだけだ。これに慣れているもんだから、具の多い韓国式ワカメ汁を見たと
きに面食らってしまったわけだ。もうすこしはっきり言うと

「げげーっ、こんなにぐちゃぐちゃに入っていちゃ、食えないじゃないか」

という感覚であった。もちろん彼女の手前、そんなことばは口に出すことはなかったが、
心のなかではひそかにそんなことを感じていた。しかしもちろんすぐに食いはじめた。
わたしのために作ってくれたんだ。食べるのが道理だし、また食べてみると具の多さに手こずったがまずいわけではない。大きな器に入ったワカメ汁をわたしはおいしく食べることができた。

今ではワカメ汁の具が日本のようだったら、かえって貧弱すぎて味もなにも出ていないようで
物足りなさを感じてしまうのではないだろうか。慣れというのはおそろしいものである。
最近日本では「まめもやし」が健康食品として脚光を浴びているようだが、
こちら韓国の影響かと思われる。

こちらでは昔から変わらずもやしをたくさん食べている。
主に朝の食事の汁として出てくることが多い。
日本ではもやしをどのようにして食べているのかわからないけれども、
こちらでは醤油味の薄味のおみおつけ(コンナムルクク)として食べることが多い。

もちろんもやしを使った料理はほかにもたくさんあるが、このコンナムルククつまり「もやし汁」が一般的ということ。この場合も具となるもやしは大量にはいる。


※ ワカメ汁:誕生日には、その朝にお赤飯と「ワカメ汁」を食べるのがこちらの習慣である。
      ワカメには鉄分などを中心としたもろもろの栄養成分がはいっており、産婦が
                        食べる定番料理もこのワカメ汁である。 

                                                                     (『おしょうしな韓国』より) 

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treenamu

Author:treenamu
韓国在住の日本人で、山歩きやサッカー、リフティングなどが好きです。小説・随筆なども書いてます。鴨長明、ヘッセ、バルザック、モーム、チャンドラーなどが好きです。スローライフがモットーです。

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